14-3. 試験管内反応による遺伝子発現の測定
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1) in vitro転写
原核生物
原核生物やファージのRNAポリメラーゼは自身のみで正しい位置からの転写ができる
ベクター内部のプロモーターの下流に組込まれたDNAを、ファージ(e.g. SP6, T3, T7)由来のRNAポリメラーゼを使って転写させ、RNAを調製することができる
真核生物
ヒト培養細胞(e.g. Hela細胞)やショウジョウバエ胚などから得た細胞抽出液は転写活性が高く、ヌクレアーゼやプロテアーゼが少ないため、in vitro転写に使うことができる
精製した転写因子やRNAポリメラーゼを使った反応も可能
操作の概要(ファージの酵素を使用する場合)
転写ベクターのプロモーターの下流に目的DNAを組込む
RNAポリメラーゼ、基質ヌクレオチドを加えて反応させる
標識RNAをつくる場合は、標識基質を加える
転写領域の下流に明確なターミネーター(転写終結配列)がない場合は、鋳型DNAの下流部分を制限酵素で切断する
切断点で強制的に転写が終了するため、定まった長さのRNAができる
run-off法
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RNAをゲル電気泳動により分離→オートラジオグラフィーで検出
2) in vitro翻訳
反応液としては、材料が得やすく、翻訳因子が豊富でRNaseやプロテアーゼが少ないという理由から、コムギ胚芽抽出液やウサギ網状赤血球溶解液が使われる
反応液にアミノ酸、ATP、ATP再生系(クレアチンリン酸とクレアチンキナーゼを含む. クレアチンリン酸のリン酸基がADPに移って、ATPが合成される)、mRNAを加える
あらかじめ内在性mRNAを分解する場合は、Ca2+依存ヌクレアーゼであるMNaseで抽出液を処理し、その後Ca2+のキレート試薬であるEGTAを加えて酵素活性を抑える
イオウ35標識メチオニンを加えれば標識タンパク質をつくることもできる
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